背景
2021年4月から厚生労働省による小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業が全国でスタートし、胚(受精卵)凍結や未受精卵子凍結などへの助成金が適応された。 また2022年4月から不妊治療が保険適用になることもあり、今回のWCW2022では、AYA世代の「妊孕性温存(にんようせいおんぞん)」について取り上げたい。 現在、年間約2万人のAYA世代の方が、新たにがんの診断を受けるとされている。様々なライフイベントがおこる世代にとって、がんの経験と同時にパートナーや家族と妊孕性について知る、考えるそのときに、どのような支援があり、また何を話し合うべきか。このセッションを通して考えを深めていく。
ワード解説
AYA世代:Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)のことをいい、15歳から39歳がこの世代に含まれる
妊孕性(にんようせい):妊娠するための力のこと。がんの治療では,妊娠に関わる臓器にがんができた場合だけでなく,一見妊娠と関係のないような臓器にがんができた場合でも,抗がん剤や放射線治療による影響で妊孕性が低下したり,失われたりすることがあり、女性にも男性にもかかわること。